top of page
  • 玄哲

【風邪には葛根湯、それって本当?】


湯呑み・漢方薬

2020年はコロナウィルス(covid-19)に振り回された一年でした。

直接影響を受けた方、そうでない方、色々だと思います。


厚生労働省のホームページには「新型コロナウイルス は風邪の一種」と記載があります。

脅威の差は別としてインフルエンザもコロナも間違いなく風邪の一種です。


今回に限らず、この時期になるとテレビやラジオのCMでは「風邪には葛根湯」と耳にしたことはありませんか?

また、薬局に行っても入り口付近に葛根湯コーナーが出来上がっていたりします。


日本人は葛根湯が大好きです。

江戸時代には「葛根湯医者」という落語もできるくらい何にでも葛根湯を使う皮肉話もあったくらいです。

人類は古くからこの度々変異する「流行性感冒」「感染症」と戦ってきました。

東洋医学 も昔から風邪と戦ってきました。

漢方薬 の教科書のうち有名な一つは約2千年前に200人以上いた親族の大半を「流行性感冒」で亡くした医師が編纂したものです。(『傷寒論』張仲景)

時代でいうと「三国志」の辺りです。



「風邪には葛根湯」



間違ってはいないんです。


が、漢方薬は「副作用がないと聞いたのに出た」「あまり効果がなかった」という話も聞くように人によって差異があります。


『それはタイミングがあっていないから』です。


必要ないタイミングで使えば具合が悪くなることもありますし、症状の重たい時期に軽めの用量であれば効かないことも当然あります。

これは漢方薬に限ったことでなく西洋薬も一緒です。

症状がなくなったのに念のため、と飲み続けるのもNGです。


適切なタイミングで自分の症状にあった使い方をすれば東洋医学は劇的な効果を発揮します。

漢方薬に関して言えば、専門家に聞いて常備薬としてストックしておくのが良いかと思います。 昔の「越中富山の薬売り」的な使い方ですね。

風邪の症状に使えるざっくりな漢方薬は後ほど記載します。

グレープフルーツとサプリメント


そもそも風邪をひかないためにどうするか。

食事、運動、睡眠です!



食事からは特にビタミンC、Dと亜鉛を良く摂ると良いです。


現代日本人は「圧倒的にビタミン不足で糖質過多」と言われています。


サプリで摂取する方は食事の補助的に使ってください。

出来れば食事からが良いです。

何故なら噛むことで消化吸収のシステムが働くからです。


また、亜鉛はいっぺんにとり過ぎるとお腹緩くなりますので注意してください。


「そして6時間以上寝ること」


鼻にウイルスを突っ込んで「睡眠時間と風邪の発症」について調べた研究があるのですが、6時間を切ると途端に発症率が上がるようです。

(ショートスリーパーかロングスリーパーか、という議論はここでは一旦置いておきます。)


風邪の引き始め「ゾクッとした」「首肩が突然いつもより凝る」といった不調を感じたら10回程度でいいので軽くスクワット等をして一時的に体温、代謝を上げましょう。

また、運動が苦手な方は「普段自分が浸かっている入浴温度」より1~3度高い温度でくるぶし上くらいまで浸けて足湯をしましょう。

体力のある方はしっかり入浴してしまっても構いません。


長時間する必要はありませんので浸かっている部分が少し赤みがかって、じんわり汗が出てきたら足、身体が冷えない様にして終了です。

(水分は適度にとってください)


また、風邪の影響で胃腸に症状(食欲不振や下痢、嘔吐など)がある時は

場合によっては1食〜2食抜いちゃいましょう。

消化に血液、エネルギーを裂かれないのでその分、戦う力が高まり回復が早まります。


温泉・お風呂・湯治


さて、周りの方にリサーチすると皆さん病院や薬局が身近になったことで昔より「常備薬」って家に揃ってないようですがいかがですか?

症状を感じてから薬を「買いに」「もらいに」行くのでは対応は後手になってしまいます。


以下のようなものを何となくでも揃えておくと「ガタガタ」っと体調を崩す機会がグッと減るのではないかと思います。

東洋医学は「未然に防ぐ」=「未病」が基本です。


◎【桂枝湯】けいしとう

風邪の初期(=ちょっと背筋がゾクゾクして寒気がする感じ、場合によっては軽い頭痛や肩首のコリ感が増した時)に熱々の湯に溶かして飲む

一度飲んで効果薄ければ10分空けて何度でも内服→汗をかいて来たら終了

汗が多く出る場合は加減を見て着替えて体が冷えないようにしてください


◎ 【桂枝加葛根湯】けいしか かっこんとう

桂枝湯を飲んでも首の後ろの硬さが強くなるとき



◎ 【麻黄附子細辛湯】まおう ぶし さいしんとう

抗病反応(寒気や痛みを感じにくい)が出にくい高齢者や虚弱体質の方に対して、熱々の湯に溶かして使用


◎ 【麻黄湯】まおうとう

インフルエンザのように急激に熱があがったものに対して使用

(ただし、体力のない年配の方や虚弱体質の方にはオススメしません)


◎【桔梗湯】ききょうとう

喉の痛みに使用

基本はお湯に溶かして使用ですが、痛みが強い時は溶かした後に冷蔵しておきガラガラうがいしてそのままゴックン


◎【小青竜湯】しょうせいりゅうとう

サラサラ鼻水、アレルギー性鼻炎にも


◎ドロドロ鼻水に【葛根湯】かっこんとう!

風邪には葛根湯というのは間違ってはいないのですが、入口は桂枝湯がオススメです。

葛根湯は『炎症を取る』目的が強いので強いコリ感にも良いです。

蓄膿症にも使ったりします。

(胃が悪い方にはオススメしません、また男性ホルモンを抑える作用があります)



上記は予防線的に使っていただき、より細かく自分の時々の症状にピッタリ合った漢方薬を探したい場合や、お薬を普段飲まれている方、アレルギー体質の方はまず


薬剤師に相談してください。

健康情報というのは自分に合うもの、合わないものがあります。

運動やフィットネスもそうだと思います。

色々な情報が溢れてますが、惑わされずに自分なりの養生をしましょう。

ちなみに上記の漢方薬はAmazonや楽天などのネットショップでも扱っています。

クラシエ、ツムラが手に入れやすいと思います。

良くも悪くも普段よりも自分の身体の声を聞き易いタイミングですので

自分の体調にしっかり意識を傾けてみましょう。


◎漢方薬も歴史が古いので専門家によって使い方に若干の違いがあります。

記事の中での使い方は、私の漢方薬使用法の先生である北里大学東洋医学研究所に所属していた漢方医より学んだものの一部です。

最新記事

すべて表示
bottom of page