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執筆者の写真玄哲

【顎関節とボク】


こんにちは、玄哲です。

今回のテーマは「歯と顎関節」についてです。


何を隠そう(別に何にも隠れてませんが)私自身、顎関節症に悩まされた時期があります。

今でも鏡や写真を見ると左右の顔の歪みは一目瞭然です。


主な原因は若かりし頃の姿勢の悪さと、寝る時の姿勢


昔は仰向けで寝るのが落ち着かなくていつも右肩を下にして寝ていました。

今も寝るときは右向きが落ち着きます。


仰向けって感覚的になんか嫌だったんです。。笑


そして、いつも下向いて生活していた暗い子だったので上半身が前に、そして下に落ちていわゆる「猫背」になっていました。

猫背になれば当然、後頭部は常に重力に逆らって頭が地面に落ちない様に頑張るので緊張しっぱなしです。


(これ、デスクワークの方は自然とこうなるので気を付けてくださいね)






首が前に出る状態で脱力すれば口は自然と開きます。

姿勢を正さないまま、意識して口が開かない様にすると顎周りは常に微妙~~な緊張状態になります。

軽微な力なんですが、それが数時間、数日、数年と積み重ねられたらどうでしょう?


自分の話でいうと、そのくせ歯ごたえのある硬いものが好きだったりで、歪んた顎で噛むと途端に左顎関節が痛くなり噛み続けることができなくなる有様でした。

一番ひどい時は豆腐の様な柔らかい物を食べるのもきつい状態になってしまったのです。


顎関節の歪みは上記の様に使い方から来るものと、食いしばり、歯ぎしり といった精神的なものから来るものと大きく分けて2種類あります。


顎関節周りの緊張の取り方は後述しますが、根本的なところはやはり姿勢の作り方です。

骨盤がしっかり起きていれば上半身に無駄な力が入ることはないので、背中が張って 自律神経 が乱れるということも起き辛いですし余計な食いしばりも起きません。


もっと極端な話をすると首や頭に症状がある方の原因が歩き方や、足の指の使い方ということは大いにあります。


そんなまさかと思うかもしれませんが土台が斜めのお家でずっと暮らしていたら健康が保てるでしょうか。

そういうことです。

積み木やジェンガのような小さいものでさえ 重力の影響 を受けているのです。

私たちの体は、意識することはなくても日々重力の影響を「常に」受けています。


また、猫背になればお腹は圧迫されて の血流は悪くなり、肩が前に行くので 呼吸 は浅くなります。

姿勢を正せばそういった不具合も起きにくくなります。

ただし、どんなに良い姿勢でも長時間同一の姿勢でいればやはり筋肉は固まりますのでその辺りはきちんと管理してくださいね。



さて、今回この記事を書くにあたって舌の位置について質問をいただきました。


「舌の正しい位置」


で検索するとそれはまあ沢山の記事が出て来るのですが、軽く覗かせてもらったところ位置について書いてあるものは多々あれどそれが『脱力した上でできているのか』を記載した記事が見受けられませんでした(どこかで書いてる方がいるかもしれませんがgoogleさんの2~3ページ目くらいまでは無かったです)


それだけ、歯科医の方で全身のバランスから自分の分野を診ている方が少ないのでしょう。

(専門分野に特化するのは大事なことですので業界を否定している訳ではありません。)


が、口の中「だけ」を考え力技で舌の位置を修正したら、喉に力が入り気道が狭くなるだけです。


「良い姿勢を作ってみましょう」


と何もアドバイスせずに患者さんにまずやってもらうと無理やり肩を張って上半身が力んでガチガチ、、なんていうことがよくあります。

その状態で生活したら息苦しいし肩は凝るしで大変なことでしょう。


それと同じことを舌でしています。

噛み締めや、舌の位置を指摘されたことがある方は骨盤~肩にかけての角度に何らかの原因があると考えてまず間違いないでしょう。


舌の話でいうと、もう一つは代謝や内臓器の問題です。

体が浮腫んでいる方は舌も当然むくみます。

東洋医学 では歯紋裂なんて言いますが、舌の外枠に歯の形がくっきりとついてしまう状態です。


体が浮腫むということは消化器の機能が冷えや疲れでうまく機能していないということなので

循環改善という意味でも顎のためにも歯のためにも噛む回数を増やしましょう。

一回の内容物に対して50回噛むのが理想と言われています。


が、特に早食いの方はいきなり「50回」はハードルが高いことがしばしば。

なので私が患者さんにアドバイスする時は「とりあえず最初の3品だけで良いのでいつもの倍の時間噛んでください、そうしたら消化器の準備が整うので」という話をします。

消化液を出す唾液腺や満腹中枢を刺激するので身体の負担が全く違うものになります。


食後については、江戸時代に大ヒットした健康本『養生訓』にも、鍼灸師が教科書の一つとしている中国の『難経』にも『食事は良く噛んで腹7~8分目、食後は100歩前後でいいから少し動くと良い』と書いてあります。

これ、眉唾ではなく実際に血糖値の急な変化を防ぐ役割があると分かっているので、室内を少しうろつくくらいで良いので食後の軽~い歩行は余裕があれば是非!



現代人(日本人?)は噛む回数が減ったことで「顎の成長が悪く歯が入りきらない」「使う回数が減っていることで歯が尖っている」「咀嚼 回数が少ないことで舌をあまり使わず筋肉が発達しない」などの問題もあり、顎関節が不調をきたすのは当然といえば当然なのかもしれません。


ちなみに、お仕事中でも何でも気が付いたら噛み締めている癖がある人は「自分の目の見える範囲にメモ書きを貼る」のが効果的です。

PC作業がメインの人は画面の外枠に、キッチンにいる時間が長い方は冷蔵庫や食器棚に「噛み締め注意」「良く噛む」「間食禁止」など自分の治したい癖を貼っておくと自然と噛み締めの回数が減っていきます。


口の中の環境を良い状態に保つのはやはり「唾液」です。


歯の再生や免疫の上昇にも関与しているので 風邪 の予防にもなります。


ということで「良く噛む!」というのは当たり前として

鍼灸師的なアプローチをここで少し取り上げてこの回を終わりにしたいと思います。


唾液を出す腺というのが大きく3つあります。

そこを刺激しつつ顎関節周りの緊張も緩めるエクササイズです。


耳下腺(頬車)、舌下腺(廉泉)、顎下腺(大迎) です。

それぞれ( )カッコ書きの中にあるのはツボの名前です。


◇耳下腺は小さい子が炎症を起こすこともあるので比較的、耳にすることがあるのではないでしょうか

この耳下腺に近い位置に【頬車】というツボがあります。

耳たぶの下から顎のエラの部分の角に向かって指一本分ほど降りると少し凹みがあると思います。

そこを人差し指と中指で優しく円を描くように10秒くらい押してあげましょう。

唾液が出てくる感覚があると思います。


◇舌下腺は顎の真下、喉仏の位置から真上に向かったところ、顎の下【廉泉】にあります。

親指を上向きに当てて、軽く前後に押しましょう。


◇顎下腺はエラの角から廉泉に向かって指2本くらい向かったところにあります。【大迎】

ツボの位置自体は骨の際にある凹みなのですが、今回は下顎の裏側の筋肉を押しましょう。

これも親指が押しやすいかと思います。


それぞれ唾液が出てくると思いますが、闇雲に強く押すのはNGです。

あくまでも軽くマッサージをして、それの副産物的な感じで唾液が出てくるのを感じてもらえたらO,Kです!

どの指で押すかは自由ですので上記ではやりにくければ自分のやりやすい指で刺激してください。


またツボの位置も名前で調べると若干位置がズレているかと思いますが、今回はセルフメンテナンスを目的としていますので

指で押しやすい位置に微妙に調整してお伝えしています。


まずは入浴時や洗顔のタイミングで取り入れてもらえると良いかと思います。

時間に余裕がある方は食事前にもやってみましょう。

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