こんな話があります。
一部では有名な話なのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
明治初期、ドイツから当時の最新医学を携えてやって来た医師エルヴィン・フォン・ベルツ氏がある時、人力車の車夫さんに東京から日光まで運んでもらいました。
約140kmの距離をそこそこ休憩をとりつつ、とはいっても驚異的に走り続ける車夫さんに元気の秘訣である食生活を聞いところ
🌾玄米、味噌、野菜、豆、たまに魚🐟
と、至って質素な食事でした。
その話を聞いた医師は
「ではちゃんとした食事にしたらどれだけ走れるんだ!!」
と、当時のドイツ栄養学に基づいて
🍖肉、バター、牛乳🐮などを中心とした洋食に変えたところ2週間ほどで
「以前のように走れなくなったから戻して欲しい…😢」
となったそうです。
さて、彼の中でその時何が起きていたのでしょうか。。
これ、医師はタンパク質と良質な脂質をちゃんと摂取させようとしたと考えられます。
が、車夫さんは車夫さんで豆や魚からタンパク質も脂質も摂っていたわけですね🫘
ただ、そもそも毎日肉を消化する環境準備がない状態で突然大きな食の変化が起こったので上手くいかなかったのでしょう。
肉やバターからの過剰な脂質や、牛乳に含まれるカゼインによる腸の炎症などに元々腸内に住んでいた細菌さん達が対応できなかったと考えられます。
仮にもっと長いスパンで少しずつ変えていったらまた違う結果だったのかもしれません。
さて、テーマにあります【あなたの身体はプロテイン】というのはそのまま事実を書いている訳ですが
人の体というのは皮膚も筋肉も内臓も酵素やホルモンの一部も…かなりのウェイトをタンパク質が占めています。
なので、タンパク質が不足してくるとそもそも人間の生命活動を行っているための機能が働かなくなるのです。
そして、飽食で偏食のこの時代にまさに不具合が起きているのです。
あ、今更ですがタンパク質は英語でプロテイン/proteinですからね💡
皆さんの中で過去、プロテイン(皆さんがイメージする、運動前後に飲んだりする粉のやつ)を飲んでみたけど
「胃がもたれて飲めない」
「お腹が張ってしまう」
「お腹をくだしてしまった」
という方いらっしゃるのではないでしょうか?
これ、実は「タンパク質不足」のサインです。
胃腸という消化吸収を行う体の中の工場、またその中で働く消化酵素やホルモン、それらの材料となるべくタンパク質がそもそも足りてなければ当然「工場」は正常には稼働しません。
上記のような症状が出ている方は、そもそも「胃腸が弱っている」のです。
じゃあどうするの?
タンパク質摂りましょう💦
なんですが、タイプによって摂り方に多少違いが出てきます。
これ大事です。
ちょっと脱線しますが…
漢方薬でもたまにある話ですし、不調から脱するための栄養療法なんかでも見受けられるので、受け手の皆さんにもココはちゃんと押さえておいてほしいのですが
根本治療をするにしても
「その時のフェーズ」
に対してアプローチをしていくので
「そもそものアプローチが間違っていた場合」
もしくは
「症状のフェーズが変わっているのに同じアプローチを続けている場合」
それはあなたの体にとってマイナスの影響を与える可能性が非常に高いです。
それを
「テレビでやってたから」📺
「本で読んだから」📖
「〜さんに勧められたから」👱♀️
という健康情報が
「今のあなたの体に合っているのか!?」
また
「薬、余っててもったいなから飲み続けてる」💊
(臨床現場でこの話、結構聞きます)
ということをやると
インターネットの検索キーワードや口コミサイトレビューにある
「あれ酷い」「悪くなった」
という勝手な怒りの矛先になるわけですね。
(もちろん本当に怪しさ全開のものも見受けられますが…)
どんなモノでも毒にも薬にもなります。
タイミングやバランスが大事です。
話を戻しましょう。
東洋医学や自然医学が好きな方は「食事療法だけで解決したい」と仰る方もいますし
私自身も当然、本来その方が良いと思っています。
タンパク質でいえば、卵や肉、魚、豆などですが、野菜を育てるにしても土の栄養がそもそも痩せてきている上に出荷するまでの数日でかなり栄養が抜けていきます。
「天然水と肥沃な土壌でそだった有機野菜を朝取れでいつも美味しく食べてます❗️」🌽
動物の肉も
「栄養価の高い野生のジビエをいつもいただいています‼️」🦌
という訳ではなく、
特に都市部の方々はお店に並んだお肉を購入して食べている方がほとんどではないかと思いますから
そういう生活の中で仮に大きく体調を崩したり、長期的に体を良い方向に作り変えていこうとする場合には
キッカケとして、プロテインだったりその他サプリメントだったりも一時的には「使った方がいい場合がある」と考えています。
では、サプリメントとしてのプロテインの話です。
前回まで糖質過剰摂取の話をしてきましたが、食事で炭水化物のウェイトが多い方、オヤツの回数多めでお腹を膨らましてる方は
食事の前に、もしくはオヤツを摘む前に、コップ(規定量の)半分とか1/3の量でいいのでプロテインを「噛むようにして」飲んでみてください。
それにより血糖値の急上昇も緩和します。
もし食事の制限がなければソイプロテインよりもホエイプロテインの方が栄養バランスが良いのでオススメです。
あと、プロテインは腎臓に負担がー、、という記事をたまに見かけますが1日3杯くらいであれば全く問題ないでしょう。
昔は筋トレのムキムキお兄さん達がトレーニング後に腰に手を当ててゴキュゴキュと喉を鳴らしながら飲んでいるイメージのものでしたが(?)
今は色んな味も発売されていて飲みやすくなっているので、まずは少量を購入して好みの味を見つけていただくと長く飲めるかと思います。
あ、筋トレのお兄さんが何故いつもプロテインをゴキュゴキュしているのか💪
もちろん筋肉をつけるため❗️
体内で一番、糖質(から形を変えたグリコーゲンやブドウ糖)をストックしているところが筋肉なんですね。
血液中の糖をエネルギーとして使って、その糖が減ると今度はストックしてるものを使います。
ムキムキお兄さん達は基本的には糖質摂取は計画的でそんなに量は多くありません。
その体でキツいトレーニングをしたら…
短期的には、最初は筋肉や肝臓の中にストックしてる糖を使います。
長期的には、さらにそれを使い切ると体内の脂肪やタンパク質を分解して糖を作るんです。(これを糖新生といいます)
⬆️最終的には筋肉分解しちゃうんです。
なので、トレーニング前後でプロテイン飲んでるのは分解予防も兼ねてるわけです。
ダイエットやファスティングといった強制飢餓状態を作ると筋力低下が同時に起こるのもそういった仕組みになります🧘
さて、次回は副腎疲労/アドレナルファティーグについてのお話をします。
「甘いものが好きで疲れやすい」という似たような状態の方の中で
底上げのために最初にプロテインを摂っても上手く行かない場合があります。
当然、底上げしていく過程でタンパク質は必須にはなるのですが…
あ、最後にマニアックな呟きですが東洋医学の視点だと今日の話が脾虚、次の話が腎虚だと考えています。